2ヶ月ぶりの霧ヶ峰リポートです。6月になったばかりの霧ヶ峰の様子をご紹介します。
標高の高い霧ヶ峰の高原はまだ春の色合いで、草原は枯れ草色。
<new!今年6月初旬 車山の気象レーダー観測所と新緑の木々>
木々は淡い新緑に染まり、ズミの木の花もピンク色のつぼみが少しずつふくらみはじめましたが、地面に近いススキやササなどの下草は、まだ青くならないのです。
咲いているのは春の花。スミレ、キジムシロやミツバツチグリ、ピカピカに光るキンポウゲ科の花(アカギキンポウゲかウマノアシガタ)などが咲いています。
そしてこれから6月中旬にかけて、霧ヶ峰をいっぱいに彩る花もほんの少しずつ、つぼみをつけはじめました。レンゲツツジです。
満開の時の様子はこちら↓
<2018年6月下旬頃のレンゲツツジ>
<2020年6月中旬頃のレンゲツツジ>
上の3枚は過去に撮影したものです。3枚めは撮影年が去年ですが、2018年の満開の時と5日しか違わないのに、花が少なく感じますね。
レンゲツツジにも当たり年があるようです。
その年の春の気候などでも、花つきが変わったりするといいます。
2021年の今年は1月末にたっぷりの雪が降ったきり、順調に季節は春に向かい、寒の戻りのような春の大雪が降ることがありませんでした。植物たちにとって、どんな影響が出るのでしょうね。
車山湿原のレンゲツツジ群落付近からは、北アルプスの眺めもいいんです。
大きな山は、まだ雪が残って白く光っています。レンゲツツジの花越しに、北アルプスの冠雪した写真を撮るのも、なかなかフォトジェニックですよ。
<new!今年6月初旬のレンゲツツジ群落と北アルプス槍ヶ岳・穂高連峰の眺め>
この写真は残念ながらまだ花が咲いていないレンゲツツジ。灰色の部分が上のようなオレンジ色に染まります。
レンゲツツジの咲く頃、もうひとつ、初夏の霧ヶ峰を彩る花があります。
コバイケイソウです。
<new!今年6月初旬 コバイケイソウのお花畑>
車山湿原や車山肩の付近には遠目に見てもよく目立つ、コバイケイソウの大きな群落があり、毎年レンゲツツジより一足早く咲き始めます。
まだ6月になったばかりですが、こんなに鮮やかな葉っぱたち。枯れ草の中でとても目にまぶしいです。少し花のつぼみが見えはじめている株もあります。
今年も、レンゲツツジとコバイケイソウの饗宴がたのしめそうです。
こちらは過去の様子です。
<2018年6月中旬 レンゲツツジとコバイケイソウ>
レンゲツツジとコバイケイソウの花が同時に楽しめる頃、関東甲信越地方は梅雨の真っ只中。けれど梅雨があけた頃には、花はだいぶ少なくなり、コバイケイソウは茶色く色あせはじめます。
曇りの日は霧の多い霧ヶ峰ですが、レンゲツツジはまるで蛍光色のオレンジのように、霧の中でも明るく輝いて見えます。これが「霧ヶ峰らしい景色」なのです。
<2018年6月中旬 霧の中のレンゲツツジ>
今はまだ灰色の低木帯に見えるレンゲツツジ畑ですが、花芽や葉芽は少しずつふくらみはじめています。
草原性の鳥たちがたくさんさえずっています。
この日聴こえた生きものたちの鳴き声:
ノビタキ、アオジ、ホオアカ、ヒガラ、カッコウ、ホトトギス、キジ、ノスリ、シュレーゲルアオガエル(車山湿原)
お天気の合間を見て、ぜひ6月の霧ヶ峰にあそびにいらしてください!
今はまだ訪れる人の少ない静かな霧ヶ峰。霧の日は、シカやキツネやタヌキに出会えることも(*´∇`*)
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【霧ヶ峰(車山)草原トレッキング】~自然を感じて、五感を使う のんびり山歩き~
【八島湿原 ぐるっとウォーク】~花と生きものたちとの出会い 癒やしの湿原めぐり~
八島湿原では今、シュレーゲルアオガエルのすずやかな鳴き声に包まれる中、ズミの花が咲きはじめました。どちらも今の時期しか楽しめず、夏には消えてしまいます。
花と生きものの季節はゆっくりと移り、めぐっています。
ネイチャーオタクなガイドと一緒に、霧ヶ峰を観察しましょう٩(^ω^)و